原図作業
全幅が2.2mなので原図台も小さくて済みます。
チャイン艇の為、今までのストリッププランキングのようにフレーム位置で設計書から描き出す必要はなく、設計の基礎となるステーション*1
の位置でそのまま型が作れますから、全長の原図番は必要なく断面のみの型で製作します。
*1 前と後ろの喫水位置(水船長)を10等分します。ステーションの0から10までが水船長で水に浸かる部分の長さです。
全長はMARVELは6.7mでステーションは6.5mですから、全長からすると非常に水船長の長いヨットと言うことになります。
原図が完成すると骨組みの製作に入ります。
あくまで骨組みは仮設で、船体としては使用しません。
一般的には1枚の合板から切り出して作っていくのですが、今回はねじれや曲がりのないフローリング材を使ってみました。
1枚1枚は高価なのですが、無駄がないのでかえって安価な仮設材です。
チャイン事に作り片一方がWチャイン*2ですから2カ所接続され3つのラインになります。
*2 チャインとは船体が丸型ではなく、何箇所かで折れたようになっていて、チャインとチャインの間は直線になります。チャインが1つの場合はシングルチャイン、2つの場合はダブルチャイン、3つの場合はトリプルチャインといいます。MARVELはダブルチャインで建造されます。
このチャイン艇として作ることにより、機走のスピードを確保するための重量が軽減されます。
すべてのチャイン部分が出来上がりました。
チャインは丸型船型よりも腰が強いという大きな特徴を持っています。
いよいよ組み立てです。
左右別々に作っていた型を一対にしていきます。
一対にすると喫水ライン等の基準線を入れておきます。
組み立て完成した型です。
思ったとおりフローリング材はひずみの無い材で木質も硬く、非常にいい型用の材料でした。